受入企業様の心得
外国人技能実習制度の活用には運用側である受入企業様側に制度に対しての理解と適切な活用方法を求められています。
どんなに志の高い実習生を迎えても、企業様側が受入環境をしっかりと整えていない状態や、制度を不適切に利用すると採用を強化するどころか経営に悪影響を及ぼすことになりかねません。
反対に技能実習生の雇用を適正に数年間継続する事ができれば、永続的な在留資格「特定技能1号」の取得も視野に入り、将来的に更に大きな戦力に成長するでしょう。
しかし、そのためには実習生が長く安心して働けるような仕組みが非常に重要です。
「違い」を受入れる
外国人技能実習生の採用は人材不足問題の特効薬となる反面で実際には言葉・文化・風習・宗教・価値観の「違い」が採用される側とする側が最も感じる「壁」となります。
もちろん技能実習生は日本での生活環境・職場環境に適応しなければなりませんが、採用する企業様側もときに彼らの国の風習、宗教、習慣など様々な「違い」を理解し、組織を対応せていくことを求められます。
職場の仲間としてのサポート
ほとんどの技能実習生が日本での仕事・生活は初めてとなりますので、実習生本人たちが一番不安であることは間違いないでしょう。
ですので、業務や日常生活に慣れてもらう為にも技能実習生への理解を深めるための社内教育を実施するといった取り組みも取り入れるなどの職場の仲間としてのサポートが必要です。
また、生活面でも精神的なサポートを行う必要があるかもあるかもしれません。
実習生との情報共有
外国人技能実習生は入国前講習・入国後講習である程度の日本語教育を受けて配属されますが、やはり最初のうちは双方で言葉の壁が大きな課題となるでしょう。
例えば危険が伴う作業現場では労災事故防止マニュアル等を準備して、「声かけ」や「指差し」等のルールを定めている企業がほとんどかと思われますが、技能実習生へ咄嗟に危険を知らせるときに日本語で通じるのか等の問題も生じます。
外国人スタッフでも理解できるような絵や記号を使用した看板・ポスターを設置するの取り組みもひとつでしょう。
また、安全確保の為に注意喚起しやすいコミュニケーションの手法を考えていくことも必要です。
技能実習生の争奪戦
外国人技能実習制度は表面上では開発途上国等への移転という目的となっていますが、実際には日本の企業にとって労働力不足の解消には欠かせない制度となっています。
しかし、今まで労働輸出国であった中国も数年のうちには労働力の輸入に転じると可能性があり、労働力不足はすでに日本国内だけの問題ではありません。
今ではまだ多くの実習候補生を確保が可能ですが、将来を見据え早い段階で外国人労働力の受入態勢を整えることが重要となるでしょう。
技能実習制度が抱える問題
外国人技能実習制度は企業にとって将来へ向けて大きなメリットのある制度ですが、現実には失踪等の深刻な問題があるのも事実です。
法務省の調査では、失踪した技能実習生の7割がその動機を「低賃金」「賃金の未払い」としており、実際に聴き取りを行なった実習生の半数が地域で定められた最低賃金以下で働かされていたという結果です。
期限が終われば入れ替え可能な安い労働力として考える企業には受入れを行う資格はありません。
技能お実習生は辞める、転職するという選択が難しい立場ですので、「受入企業様」「監理団体」「送出機関」がしっかりと連携して技能実習生が働きやすい環境を整える事が非常に重要となります。
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